研究概要


運動における骨格筋レナラーゼと生理的意義の解明

 レナラーゼは、2005年に腎臓の分泌物として新規に発見された生理活性物質です。時野谷は、これまでにヒトや実験動物を対象とした運動実験の際に、血中のレナラーゼ濃度を見出し、その分泌が骨格筋由来であると示唆する結果を示してきました(Yoshida et al., JPFSM, 2017; Tokinoya et al., Life Sci, 2018; Tokinoya et al., FEBS Open Bio, 2020)。一方で、腎臓での発現量が低下することも示しており、国際共同研究によってそのメカニズムの一旦も明らかとしてきました(Iyer et al., Life Sci, 2023)。またトレーニングによって骨格筋での遺伝子発現量が上昇することも明らかとしています(Tokinoy et al., Phyolog2021)。骨格筋に対する生理的応答として、細胞増殖に関する結果を見出してきました(Kato et al., Mol Bio Rep, 2026)。

長距離走やフルマラソンにおける運動生理生化学応答の解明

 時野谷は長距離走における筋痛や筋損傷の動態を研究してきた。特にフルマラソン直後から痛みが発生する筋痛について、20km地点で生じ始めていることを明らかとし、早発性筋痛(Early onset muscle soreness)と名付けた(Tokinoya et al., J Exerc Sci Fit, 2020; Tokinoya et al., J Sports Med Phys Fitness, 2020)。加えて、血中の筋損傷マーカーの上昇などに特徴があることを見出した。またフルマラソン後に腎臓に関する非侵襲的な手法である尿中バイオマーカーの結果も示した(Kosaki et al., J Appl Physiol, 2022; Tokinoya et al., Asian J Sports Med, 2025)。フルマラソンに対してマスリン酸を摂取することで、翌日の筋痛や疲労感が軽減される結果も示してきた(Tokinoya et al., J Nutr Sci Vitaminol, 2025)。

運動における唾液バイオマーカーの探索

 運動時には、多くの生理応答が生じます。これを唾液からモニタリングできるように実験を計画・遂行中です。